【大河ドラマ~べらぼう】第25話

耕書堂VS地本問屋連合の戦いがついに終戦。
灰に染まった町から、新たな耕書堂がスタート!

出典 国書データベース

耕書堂がついに日本橋へ―。大河ドラマ「べらぼう」25話では、耕書堂が夢の日本橋進出を果たし、同時に蔦重は“てい”と結婚。これを機に地本問屋連合との戦いにも終止符が打たれ、正式に地本問屋仲間に迎え入れられました。ドラマではまず、丸屋を買い取った問屋・柏原屋が蔦重のもとに、店(丸屋)を買わないかと話を持ちかけます。当然、蔦重はすぐに話に乗りますが、一つ大きな壁がありました。それが、前話でも問題となっていた、吉原の者は見附内に家屋敷を買えないという決まりでした。この問題を解決するため、蔦重は須原屋市兵衛と連れ立って田沼意知のもとを訪ねます。そこで持参したのが、松前家の抜け荷の証拠となる蝦夷地の地図で、この地図を引き渡すことを条件に、蔦重が日本橋で店を開けるよう願い出ます。意知はこれを快諾し、蔦重はようやく日本橋通油町の丸屋を手にすることができました。しかし、敵対していた日本橋の地本問屋連合との対立は変わらず、丸屋の女主人・ていの心も閉ざされたままでした。そこで、蔦重はなんとか日本橋と仲良くできないかと思案します。そんな折、浅間山の大噴火が起こり、江戸の町にも大量の灰が降り注ぎました。突然の灰に江戸の人々は大混乱となりましたが、このやっかいな灰を手に、蔦重は「こりゃあ、恵みの灰だろ…」と笑みを浮かべます。

灰が降り注ぐなか蔦重は丸屋へ向かい、ていに店の売り渡し証文を見せ、一緒に店を守ろうと呼びかけます。しかし、ていは拒否して店の戸を閉めて中に籠ります。そこで、蔦重は店の屋根に上り、花魁たちの古着で屋根を覆い、瓦の隙に灰がたまらないにして店を守ろうとします。さらに、日本橋通油町の灰を除去するため懸命に働き、敵対していた地本問屋のリーダー格・鶴屋の主人とも一緒に汗を流し、互いに賞金をかけて競争しながら遊び感覚で灰を除去し、町の人々の心もつかんでいきました。この蔦重の姿に接し、ていの心も徐々に融解。二人はめでたく結婚します。そして、結婚式には鶴屋も駆け付け、お祝いの品として暖簾をプレゼント。「この度、通油町は楽しく灰を始末することができました。蔦屋さんのすべてを遊びに変えようという、吉原の気風のおかげでございます。江戸一の利き者、江戸一のお祭り男はきっとこの町を一層盛り上げてくれよう。そのようなところに、町の総意は落ち着き、日本橋通油町は蔦屋さんを快くお迎え申し上げる所存にございます」と頭を下げました。これにより、新生耕書堂はめでたく新たなスタートを切りましたが、史実では、浅間山大噴火による火山灰が冷害を引き起こし、農作物にも壊滅的な被害を生じさせ、田沼政権の運営にも影を落としました。そして、蔦重にも…。今後、これまでとは比べ物にならない、大きな試練に立ち向かわなければならなくなるはずです。