蔦重の世界に浸り浮世絵を眺めながら
こだわりコーヒーが飲めるカフェ
- 浅草 吉原 浮世絵カフェ 蔦重 -




大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」の主人公である蔦屋重三郎は新吉原大門前の五十間通り左側に店を構えていました。
浮世絵カフェは台東区千束4丁目11番地と蔦屋重三郎が耕書堂のほぼ発祥地に所在します。正確な場所は不明ながら「吉原細見」の地図を見る限り、浮世絵カフェのある場所が耕書堂のあった場所の近くだと推測されます。
浮世絵カフェでは耕書堂が扱っていた書籍や浮世絵を展示販売します。蔦重と絵師・戯作者の北尾重政・恋川春町・朋誠堂喜三二・山東京伝・歌麿・写楽・北斎たちがつくった江戸時代の「オリジナル」和書や、浮世絵を常時30~作品ほど展示します。あわせて現代摺師彫師の作品を展示販売します。江戸時代から変わらない伝統技術を継承している本物の手摺木版画を見て、触って購入できます。
入館無料です。浮世絵カフェは名前そのままで、浮世絵を愉しみながらおいしいカフェタイムを過ごしていただく店舗です。ハンドドリップ珈琲や自然栽培のお茶とあわせて本物の「手摺木版画」の世界を体験してください。
ニュース
浮世絵今昔~コラム
- 【大河ドラマ~べらぼう】第40話 2025年11月5日
馬琴と北斎の登場で、新時代突入の予感。失意の歌麿も蔦重の言葉に導かれ、再び江戸へ 画像 胴人形肢体機関(どうにんぎょうからくり)黄表紙作 曲亭馬琴 画 北尾重政 板元 蔦屋重三郎1800年刊行 浮世絵カフェ蔦重 蔵書画の解説。画に膝に小僧が抱き着いている。この絵の解説として「膝かしらを膝小僧というのは子は親のすねをかじるもの。ゆえにすえのうえにある膝かしらを膝小僧という。」跋文(あとがき)で馬琴は、「ただ顔かたちのうつくしさをもとめるのではなく、心の美しさを追求すべき。」と結んでいる。教訓と教養を読者に提供する黄表紙になっている。 曲亭馬琴、葛飾北斎など、新キャラ続々で新たな展開に―。大河ドラマ「べらぼう」40話では、「身上半減の店」をウリにした策があたり、繁盛していた蔦屋も一時のブームが去って客足が鈍り始めていました。そこで蔦重は、昔は大ヒットしたが今は絶版になっている他店の黄表紙の版木を安く買って売り出す、再印刷本に着手することを鶴屋に相談。また、執筆依頼のため、手鎖五十日刑から明けた山東京伝のもとを訪れます。そこで、京伝が新作の執筆を断る代わりに蔦重へ紹介したのが、戯作者・滝沢瑣吉(のちの曲亭馬琴)でした。蔦重はひとまず瑣吉を手代として預かりましたが、瑣吉はおらおらキャラでプライドの高い変わり者。店でも仕事を手伝わず、先輩手代のみの吉たちとも衝突してばかりでした。そんな折、役者絵師の勝川春章が弟子の勝川春郎(のちの葛飾北斎)を連れて蔦屋へやってきましたが、この春郎も瑣吉に負けない変わり者で、二人はさっそく衝突。店の前で派手な喧嘩を始めます。この二人、のちにタッグを組んで大ヒット作を生み出す名コンビとなるはずですので、それは今後のお楽しみになりそうです。一方、江戸市中の本屋ではこの頃、老中・松平定信の出版統制により黄表紙は教訓本となり、狂歌は格調高ものばかりでおもしろ味に欠け、錦絵は相撲絵や武者絵ばかりが流行していました。この状況を憂い、打破するために蔦重が頼ったのは、やはり喜多川歌麿でした。 この頃の歌麿は愛妻・きよの死後、蔦重との関係がぎこちなくなっていたこともあり、以前に栃木の豪商から依頼された仕事も兼ねて江戸を離れ、蔦重の母・つよに付き添われながら栃木で傷心を癒していました。その歌麿をその気にさせるため、蔦重が着目したのが、歌麿が描いたきよの絵でした。蔦重は、この絵から女性の顔を大きく描く「美人大首絵」の案を発案。大首絵は、人物の上半身や顔を大きく描き、視線や口元の表情で女性の微妙な感情を表現するという、これまでの浮世絵の常識を覆す画期的なものでした。そこで、この絵が描けるのは歌麿しかいないと、歌麿を説得するために蔦重は栃木へ向かいます。しかし、歌麿は「金繰りに行き詰っている蔦屋を、助けるあたりが欲しいってだけですよね」と、蔦重を冷たく突き放します。そして、生前のきよが「自分だけを見てほしい」と願っていたことから、「もう女は描かないって決めてるんで」と、蔦重の依頼を断ります。しかし、蔦重は「お前の絵が好きなやつ(きよ)は、お前が描けなくなることは決して望まねえ。これは間違いなく言い切れる。贔屓筋というものはそういうものだ」と話します。この説得に閉じた心を開いた歌麿は、再び江戸へ。そして蔦重のダメ出しに文句を言いつつ、大首絵の制作に集中します。今後、大首絵がどのように昇華していくか、More - 【大河ドラマ~べらぼう】第39話 2025年10月16日
白洲にて、定信と信念をかけて対決!身上半減の裁きにめげず、べらぼう魂で逆転商法を展開 画像 浮世絵カフェ蔦重の蔵書絶版 洒落本3部作「娼妓絹籭」「仕懸文庫」「青楼昼之世界錦之裏」山東京伝作 蔦屋重三郎がついに牢屋敷へ―。大河ドラマ「べらぼう」39話では、処罰を下される白洲にて蔦重と老中・松平定信が対面。最高権力者・定信に臆することなく、論戦を挑む蔦重の姿が印象的な回となりました。39話では、前話からの流れで「地本問屋仲間」を結成し、蔦重は行事を言いくるめて山東京伝の洒落本「娼妓絹籭」「仕懸文庫」「青楼昼之世界錦之裏」3作を発刊します。これは表向き教訓読本として発刊されましたが、内容は遊郭の男女の人間模様を描いた好色本で、出版を禁じられていたもの。蔦重は、「好色を書くことで好色を戒める」という理屈で発刊し、大ヒットして店は活気づいていましたが、与力と同心に踏み込まれ、絶版を命じられて蔦重と京伝はその場で捕らえられてしまいます。そして、白洲の場にて定信と対決。「どれもこれも女遊びの指南書だが、これのどこが好色でないと?」と詰問する定信に対し、蔦重は「跋文(あとがき)には遊びは身を滅ぼすと但し書きしております。ゆえにそれは教訓の本」と反論します。しかし、定信は好色本か教訓本かを判断するのは自分だとしたうえで、「心得違いを認め、かようなものは二度と出さぬと誓え」と蔦重に迫ります。これに対し蔦重もひるまず、魚は濁りのある水の方を選ぶというたとえ話から、人も魚も変わらないとしたいうえで「人ってのは、どうも濁りを求めるところがありまして、そこに行きゃあ旨い飯が食えて、おもしれえ遊びができたりして、怠けてても怒られねえ。そこへ行きたがるのが人情」と訴えます。そして、大胆にも「白河の清き魚にも棲みかねてもとの濁りの田沼恋しき」という、定信の政を批判した有名な狂歌を定信本人の前で諳んじます。当然、蔦重の意は定信に届かず、蔦重は牢獄へ押し込められ、拷問を受けます。そのピンチを救うため、妻・ていが立ち上がります。 ていはまず、定信の信を得る幕府の儒官・柴野栗山に面会し、夫の減刑を嘆願します。漢籍の教養をもつていは、栗山と論語対決を繰り広げながら、「夫が、女郎が身を売る揚げ代を客に倹約しろと言われていると嘆いておりました。遊里での礼儀や、女郎の身の上を伝えることで、女郎の身を案じ、礼儀を守る客を増やしたかったのだと思います」と、蔦重が3作を発刊した想いを代弁。そして、「女郎は親兄弟を助けるために売られてくる孝の者。不遇な孝の者を助くるは正しきこと。どうか、儒の道に損なわぬお裁きを願い出る次第にございます」と訴えました。結果、蔦重は命を奪われてもおかしくない状況から、「身上半減」との裁きを受けます。身上半減により、蔦重は財産を半分没収されただけでなく、お店の品や畳も半分、暖簾なども半分に切り取られましたが、蔦重はへこたれません。「身上半減店」の看板を掲げ、「身上半減の店は日本で蔦屋だけ」を売り文句に江戸の新名所として人々の注目を集め、商売を再開します。また、山東京伝も手鎖50日の刑と罰金が科せられましたが、この刑により名が一層広まる結果となりました。39話は、蔦重のべらぼうぶりが最も発揮された回になったような印象を受けましたが、今後もどのようなべらぼうぶりを発揮していくか、楽しみです。More - 【大河ドラマ~べらぼう】第38話 2025年10月15日
出版統制に挑む、蔦重の逆転の一手と仲間との絆 OLYMPUS DIGITAL CAMERA 画像 「心学早染艸」山東京伝 作出典 国書データベース 黄表紙、浮世絵などは、そもそも贅沢品。よからぬ考えを刷り込み、風紀を乱す元凶である。ならば、初めからそんなものは出さぬがよい―。大河ドラマ「べらぼう」38話では、老中・松平定信による出版統制の動きがエスカレートし、ついに「今後一切、新しい本を仕立ててはならぬ」と戯作や浮世絵に規制をかけた出版統制令が発布。これにより、江戸の地本は大きな危機を迎えることになりました。そのきっかけとなったのは、あきらかに蔦重が定信の政を皮肉るために出した黄表紙です。そのため、蔦重は江戸中の地本問屋やクリエイターたちに土下座をして謝罪。同時に触れの中にある「どうしても作りたい場合は、指図を受けろ」という文面に着目し、江戸中の地本問屋が大量の出版企画を持ち込み、指図を受けに行って奉行所が音を上げるのを待つという作戦を提案します。このシーンでは、ドラマの前半で蔦重と激しく対立してきた鶴屋とタッグを組んで地本問屋たちをまとめるという画期的なシーンが描かれました。彼らが団結していくなかで、前話から続いていた蔦重と山東京伝の対立も和解の方向へ向かい、過去のわだかまりを超えて「仲間」が作られていく様子が印象的でした。そしてもう一人、蔦重がこの逆境を乗り越えるためのキーマンとして頼ったのが、長谷川平蔵でした。この頃、江戸では前話で話題になった山東京伝の「心学早染艸」から、「悪玉提灯」と名付けられた提灯を持ち歩き、町で騒ぐ若い衆が出現。平蔵は、これらの者を収容し、真人間になるように教育して江戸の治安を守るための施設「人足寄場」を作るよう、定信に命じられていました。要するに江戸の治安維持のための重要人物として定信の信を得ている平蔵を味方に引き入れようとしたわけです。 蔦重はまず、平蔵を慰労するため吉原に一席設け、吉原と出版界を守ってほしいと懇願します。そして、蔦重の意を受けた平蔵は定信のもとを訪れ、「本など上方にまかせればよいと、それがしも考えます」と話します。どういう意味かを問う定信に対し、「実は今、上方の本屋が江戸に店を出してきているようで。江戸で新しき本が出せぬとなれば、上方が待ってましたとばかりに黄表紙も錦絵も作るようになる。黄表紙と錦絵は江戸の誇り。渡してなるものかと躍起になっておるようです。くだらぬ町方の意地の張り合いでございますよ」と話したところ、案の定、もともと黄表紙ファンであった定信は「くだらなくなかろう!江戸が上方に劣るなど、将軍家の威信にかかわる」と、考え直すことに。そして、地本も書物同様に株仲間を作り、「行事」という内容をチェックする役目の者を立て、行事の差配で本が出版されるシステム「地本問屋仲間」が結成されました。一方、35話で結婚して以来、妻・きよと幸せに暮らしていた喜多川歌麿でしたが、きよがそう毒(梅毒)に冒され、看病の甲斐なく病没。知らせを聞いた蔦重が駆けつけると、歌麿はきよの死を受け入れることができず、「まだ生きてっから」と無心にきよの絵を描き続けていました。蔦重が、半狂乱となる歌麿をきよの亡骸から引き離し、「おまえは鬼の子なんだ。生き残って命を描くんだ。それが俺たちの天命なんだよ」と言い聞かせますが、歌麿は号泣しながら蔦重に殴りかかります。歌麿がこの絶望からどのように立ち直り、美人画の巨匠として活躍するようになるのか、今後が楽しみです。More - 【大河ドラマ~べらぼう】第37話 2025年10月1日
武士は筆を折り、吉原は無法地帯に。出版文化と吉原の存亡をかけた蔦重の苦闘と、黄表紙を巡る二つの大喧嘩 OLYMPUS DIGITAL CAMERA 画像 出所 浮世絵カフェ蔦重蔵書傾城買四十八手 山東京伝作 寛政の改革下で恋川春町を失い、朋誠堂喜三二が去り、大田南畝も筆を措き―。大河ドラマ「べらぼう」37話では、老中・松平定信による出版統制により武士階級のクリエイターたちが次々に創作活動から身を引き、江戸の出版文化が大ピンチに。蔦重はこの状況を打開するため、町人を代表するクリエイター・北尾政演(山東京伝)に執筆を依頼しますが、政演も咎めを受けており、「俺も目をつけられてるんですよ~」と執筆をためらいます。一方、前話で春町の自死に大きな衝撃を受けた定信は、「世は思うがままには動かぬもの。そう諫言した者を、私は腹を切らせてしまいました。その者の死に報いるためにも、私は我が信ずるところを成し得ねばなりませぬ」と、春町の意思に反して改革への意欲をますます強めます。そして、借金を抱える旗本や御家人を救済するため、札差しに債務放棄などをさせる棄損令を発動。これにより、吉原で贅沢をしてきた金融業者の札差たちも財布のひもを締めるようになり、吉原は客足が大きく鈍る結果に。さらに、定信が「遊ぶところがあるから人は遊び、無駄金を使う。ならば遊ぶところをなくしてしまえばよい」と、田沼時代に歓楽街として大いに賑わった中州の遊郭を取り壊したことで、行き場を失った女郎たちが吉原に殺到。生活のために女郎たちが競って安値で身体を売ったため、吉原は無法地帯と化し、存亡の危機に追い込まれていきました。この状況を憂いた蔦重は、「倹約ばかりしてちゃあ景気が悪くなり、みんな貧乏。そのつけは立場の弱い奴に回る。そいうことをおもしろおかしく伝えたい」と、定信の倹約政策を皮肉った黄表紙を出版するため、京伝に筆を取るよう強く迫ります。しかし、これに妻・ていが猛反対。派手な夫婦喧嘩が繰り広げられました。 ていは、「旦那様はしょせん、市井の一本屋に過ぎません。立場の弱い方を救いたい、世を良くしたい。その志はよく分かりますが、少々、己を高く見積もり過ぎではないでしょうか」と、強く諫めます。一方、蔦重も「昔、陶朱公(古代中国の越の国の軍師として、優れた商人として成功した人物)のように生きろって言ったのはどなたでしたっけ」と反論します。そんな夫婦喧嘩を面前に、とまどいながらも京伝が生み出した大ヒット作が、女郎買いを指南する洒落本「傾城買四十八手」です。「傾城買四十八手」は、座敷や閨房を舞台とした遊女と客のやりとりが精緻な心理描写とともにユーモラスに描かれた、京伝の洒落本の代表作で、後世の作家たちに大きな影響を与えたと言われています。さらにその後、京伝は馴染みの花魁・菊園から持ちかけられ、心学の本「心学早染艸」を大和田という本屋から出版。内容は善い魂と悪い魂が一人の男の身体を巡って戦い、善の魂が勝利し善人として生きていくという話で、善玉、悪玉という言葉のルーツになった本です。要するに、定信が推し進める倹約や勤勉といった教えをエンタメ化したものでした。そのため、蔦重は「こんなにおもしろくされたら、みんな真似してどんどんふんどし(定信)を担いじまうじゃねえかよ」と大激怒。「おもしろいことこそ黄表紙には一番大事なことじゃねえですか」と反論し、大喧嘩の末、京伝は「俺はもう蔦重さんのところでは一切書かないです」と、袂を分かつことを宣言してしまいます。恋川春町、朋誠堂喜三二、大田南畝に続いて、頼みの綱だった山東京伝まで…。今後、蔦重がこの逆境をどう乗り越えていくのか楽しみです。More
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